世代別食事の課題とポイント2
60代以上の世代の方が健康で長生きするために食生活で特に意識していただきたいポイントを紹介します。
この世代では、若い頃とは異なり、低栄養の予防と筋肉・骨の維持が非常に重要といえます。
1. たんぱく質をしっかりと摂る
高齢になると筋肉量が減少しやすく、これがフレイル(虚弱)や要介護状態につながる大きな原因となります。筋肉を維持するためには、毎食、良質なたんぱく質を意識して摂ることが不可欠です。
●毎食の意識: 朝食・昼食・夕食の全てで、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品のいずれかを取り入れましょう。
●肉・魚・卵・大豆製品: 鶏肉、豚肉、牛肉、青魚(サバ、イワシなど)、卵、豆腐、納豆などをバランス良く食べましょう。
特に肉や魚は、敬遠されがちですが、不足すると低栄養になりやすいため、肉と魚を1対1程度の割合で食べることを意識すると良いでしょう。食べにくい場合は、ひき肉を使ったり、魚缶(サバ缶など)、やわらかい卵料理などを活用しましょう。
●乳製品: 牛乳、ヨーグルト、チーズなどは、手軽なたんぱく質源として、間食や食後のデザートにもおすすめです。
2. カルシウムとビタミンDを積極的に摂る
骨密度の低下は骨折や寝たきりにつながるリスクを高めます。
●カルシウム: 牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚(しらすなど)、大豆製品、海藻類などから摂りましょう。
●ビタミンD: カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、きのこ類や魚(しらす、鮭など)に多く含まれています。日光を浴びることで体内でも合成されるため、適度な**戸外での活動(散歩など)**も大切です。
3. 多様な食品をバランス良く摂る
単一の食品に偏らず、様々な種類の食品を摂ることで、必要な栄養素を網羅し、食欲増進にもつながります。
●主食・主菜・副菜・汁物: 理想は、ご飯やパンなどの「主食」、たんぱく質源の「主菜」、野菜のおかずなどの「副菜」、そして「汁物」が揃った献立を1日2食以上整えることです。
●野菜・果物: ビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源です。特に野菜は、煮る、炒めるなど、火を通してかさを減らすことで、より多く摂取できます。
●「多様食」のすすめ: 肉類、魚介類、卵、牛乳・乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、いも類、果物、海藻、油脂類といった多様な食品を意識して取り入れるようにしましょう。
4. エネルギー(カロリー)をしっかり確保する
特に食が細くなっている方は、体重が減って低栄養状態にならないよう、必要なエネルギー量を確保することが大切です。
●脂質の活用: 少量で効率よくエネルギーを摂るために、パンにバターを塗る、マヨネーズやクリームチーズを料理に使うなど、良質な脂質を食事にプラスする工夫も有効です。
●間食の活用: 3食で食べきれない場合は、カステラ、プリン、ヨーグルト、果物など、少量でエネルギーや栄養素が摂れるものを間食として取り入れましょう。
5. 食事の環境と食べやすさの工夫
●よく噛むこと: 唾液の分泌を促し、消化吸収を助け、食べ過ぎを防ぎます。硬すぎるものは避け、食べやすいように調理を工夫しましょう。
●楽しく食べる: 誰かと一緒に食事をすることで、食欲が増し、自然と食事量や食品数が増える傾向があります。地域の食事会や、友人と外食するなど、「孤食」を避ける工夫も大切です。
●調理の負担軽減: 缶詰、冷凍食品、お惣菜、宅配サービスなども上手に活用して、無理なく栄養バランスの良い食事を継続しましょう。
ご自身の体調や活動量に合わせて、これらのアドバイスを日々の食生活に取り入れてみてください。